頭を抱える 悔しい 残念

投信ブロガーの吊られた男さんが、今後は配当込み指数に連動した投資信託に投資していくという強烈な決意表明をしています。

(吊られた男の投資ブログ)
配当なし指数を連動対象としているインデックスファンドはいらない

自分はここまで大きな決断こそできませんが、インデックスファンドは配当込み指数をベンチマークにしていくべきだという考えには大々的に同意です。

すべての運用会社さんは、今後設定される投資信託(インデックス・アクティブ含む)には『配当込み指数』をベンチマークに統一して競ってほしいところです。

今回の記事では、配当抜き指数だと表面上は出てこない問題をひとつ。
それは、投資組入比率が100%に及ばなくても誤魔化すことができてしまうって話。
(参考記事)
インデックス投資実践記~新興国株式編|ますいっちと世界分散投資?

画伯(ますいっちさんの呼称)のブログで、i-mizuho新興国株式インデックスの騰落率について言及しているところがありますので引用してみます。

なぜか、i-mizuho新興国株式インデックスの1年騰落率が-9.5%で一番良くなってます。

しかし、インデックスファンドは、適切な価格で売買するためにトラッキングエラー(指数との乖離)が小さい方が優秀だとされるので、これだけでi-mizuho新興国株式が一番とは言えません。

そこで月報を見てみると、配当を含まないベンチマークは-11.9%で+2.4%も上方乖離してます。
上ブレとはいえ、これではインデックスファンドとしては問題アリです。

しかし、ためしに配当を含まないインデックスと比べてみるとどうでしょう?
(-9.5%)-(-9.4%)=-0.1%で、コスト分くらい下回ってるようなイメージじゃないですか?


それにしても、決してコストの安くないi-mizuho新興国株式インデックスの騰落率がなぜか一番いいことが気になりました…



i-mizuho新興国株式インデックスは、ベンチマークであるMSCIエマージング・マーケッツ・インデックス(円換算ベース)に連動するインデックスファンドです。

最新の月報で累積投資基準価額の推移を確認してみると、ベンチマークに対して上昇相場で劣って、下落相場で勝っているように見えます。

そして8月を基準とした1年リターンはマイナスの結果ですので、他のインデックスファンドと比較して(なぜか)下落相場で勝ってしまっている様子です。

上昇で負けて下落で勝つ理由
運用レポート(月報)より引用(PDF)

単純に考えて、キャッシュ比率が高いとこういう傾向になります。

月報では99.5%投資(キャッシュ等0.5%)していますが、過去に遡ると現金比率が1%前後あるかもしれないと予測していました。


i-mizuho新興国株式インデックス 投資組入比率の問題
運用報告書(全体版)より引用(PDF)

ベンチマークとの差異が大きくなった月か翌月で騰落率に大きな変化が起こっています。

騰落率の差が1%以上の月(ベンチマーク - 基準価額)
2014年11月末(-1.2%)
2015年1月末(-1.4%)
2015年3月末(-2.6%)
2015年4月末(-1.4%)

ベンチマークとの差異について

当期、当ファンドの基準価額は22.4%上昇しました。

また、ベンチマークであるMSCIエマージング・マーケッツ・インデックス(円換算ベース)は21.8%上昇しました。

ベンチマークとの差異については、当ファンドが組み入れるマザーファンドにはマザー保有資産からの配当金が計上されましたが、ベンチマークには配当金の受け取りが反映されないことがプラス要因となりました。
一方、当ファンドにおいて信託報酬等コスト負担が発生することなどがマイナス要因となりました。

第2期 運用報告書(全体版)(決算日:2015年5月7日)より引用


『マザーファンドにはマザー保有資産からの配当金が計上されましたが、ベンチマークには配当金の受け取りが反映されないことがプラス要因となりました。』

これって普段から投資信託をチェックしている投信マニアなら気付いても、普通の人には何が書かれていて、どういう意味なのかわからない可能性があります。

ベンチマークが配当込み指数で、投資組入比率が96~98%などという怠慢な運用をしていたら、あっという間にファンドの基準価額とベンチマークに乖離が生じてしまい、その差異を取り戻すのは非常に困難です。

ベンチマークが配当込み指数とは、失敗が許されないシビアな指数です。

配当抜き指数では誤魔化すこともできます。

上ブレ分は、基準価額がベンチマークに揃うところまで分配金として吐き出す。
下ブレ分は、配当収益を用いて損失を穴埋めして基準価額をベンチマークに揃える。

『配当収益 > 運用コスト(費用)』である限り、手抜き運用ができる余地があります。

仮に配当利回りが3%として、実質コストが1%のファンドならば
投資組入比率98%(キャッシュ等 2%)程度でも、運用が失敗(上昇相場)しても帳尻を合わせることができてしまいます。
※ザックリ表現しています

そう、配当抜き指数ならね。

ここまで来ると、ベンチマークに連動したインデックスファンドなのかどうかの問題です。

上昇するべき時は100%の上昇
下落するべき時は100%の下落

インデックスファンドの基本は、投資組入比率が限りなく100%に近くなるべき。
インデックスファンドの基本は、配当込み指数に連動。

運用報告書をチェックするときは、その他の費用だけでなく、マザーファンドの投資組入比率もチェックすると、インデックスファンドの品質が見えてきます。

スポンサーリンク