ニンジン 野菜 人参

「学力」の経済学を読んでいたら、第2章:子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか?のパートで興味深い結果が書かれていました。

子どもを“ご褒美”(ニンジン)で釣ることは良いのか悪いのか。
結論から書くと、褒美で釣るのは良いけど、褒美をあたえるタイミングが重要とのこと。

インプット(本を読む、宿題をする、学校にちゃんと出席する)に褒美を与えられた子どもには学力の上昇が顕著であり、アウトプット(学力テスト、通知票の成績向上)に褒美を与えられた子どもたちの学力はまったく改善されませんでした。

そして数あるインプットの中でも、「本を1冊読んだらご褒美をあげます」が最大の効果でした。

シカゴ、ダラス、ヒューストン、ニューヨーク、ワシントンD.Cの5都市、約250校の小学2年~中学3年までの約36,000人もの子どもの大規模なデータです。

なぜインプットの褒美に効果がありアウトプットではダメなのか


鍵は、子どもたちが「ご褒美」にどう反応し、行動したかということにありました。

「インプット」にご褒美が与えられた場合、子どもにとって、何をすべきかは明確です。
本を読み、宿題を終えればよいわけです。一方、「アウトプット」にご褒美が与えられた場合、何をすべきか、具体的な方法は示されていません。

ご褒美は欲しいし、やる気もある。しかし、どうすれば学力が上げられるのかが、彼ら自身にはわからないのです。

ここから得られる極めて重要な教訓は、ご褒美は、「テストの点数」などのアウトプットではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに対して与えるべきだということです。

「学力」の経済学 P.36より引用


アウトプット(テストの成績)の褒美でも成果がでるケースとしては、勉強を見てくれる指導者がいて、目標のための具体的な道筋を示す必要があるとのこと。

成果を得るためには具体的であることが重要であることに違いはありません。

サッカーの勝利給も効果はないのでは


サッカーなどのプロスポーツでは勝利給のようなボーナスがあります。
様々なオリンピック種目でも、メダル獲得すると協会から支給されると聞いたことあります。

勝利給(結果に報酬)とはアウトプットにご褒美です。
本書では効果がないと結論づけていますが、ニンジンがぶらさがれば真剣に取り組むものか?

ニンジンをぶらさげると馬が走るようなことわざありますが、実際の馬は利口なので最初は歩いたけれど走らなかったという動物番組での実験結果(Yahoo!知恵)もありました。

人間だって利口なはずですから、ニンジンがあってもなくても結果はあまり変わらないはず。

プロスポーツ選手なのですから、常に自分のベストを尽くしているはずですし、ニンジンの影響による普段の取り組む練習メニューに大きな変化はありません。

むしろサッカーの試合結果ばかりが期待されるような状況で、結果に褒美(報酬)があると、相手を削るようなラフプレーが頻発したり、負けないための守備的でつまらない試合内容になると予想できます。

「勝てば優勝」「負ければ降格」「絶対に勝て」と周囲の結果に期待するプレッシャーが強すぎれば、選手の動きは固くなって逆効果になることもあるでしょう。

結果に報酬がダメである決定的な事例


最近、小学校で持久走大会があったのですが、次男坊が出場した2年生のレースで子どもたちが競争相手を押したり引っ張ったりしたシーンがいくつかあったようです。

後日、ママ友会(ランチ)で妻が聞いてきた話では、持久走大会の2年生の一部のグループで「良い順位になったら、お褒美あげる」という目の前のニンジン作戦をしてきた保護者が多かったらしく問題になっていたとのこと。

実は、このレースで次男坊は何度も押されて転んでしまいました。(本人談)
1年生の頃は学年男子70~80人中24位でしたが、2年生の今回は36位という結果。

転んで怪我をしたわけでもなく、転んだと聞いた当日は「競争心のある子どもがいるじゃん」程度にしか感じていなかったのですが、結果に褒美(報酬)があったことを知ったら、なんとも言えない気持ちになりました。

自分も子育ての試行錯誤中に失敗していたので修正しなければ…


持久走大会での件とは別にしても、自分もお小遣い制度の中で「テストで80点以上など良い結果」の時にご褒美を与えていました(;´∀`)

これはまさに結果に対する報酬なので、アウトプットにご褒美を与えていたことになります。

2015.11.03 子どものお小遣い制度をはじめました

今回の結論は、衝撃的で今後の子育て論を根幹から覆す内容でした。
感覚ではなく多くのサンプルから示してくれたことで、素直に修正に入ることができます。

この部分を読んでいる時の自分は『これを知りたかったんだ!』って感じ。
読みながら『おおぉぉ!』『マジかぁ…』と声がでたほどww

問題は、いままで与えてきてしまったお小遣いを、どうやって止めるか^^;
うまいことインプットでの褒美に移行できるか…かな。

褒美はお金だけじゃない!こんなアイデアもあり?


先月に読んだエッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にするの中で、子どもがテレビやインターネットをする時間にチケット制を導入しているアイデアがありました。

テレビやインターネットの時間を制限すると、猛烈に反発してくる。つねに見張っていなければならないので、こちらの貴重な時間も削られる。

そこで私たちは、チケット制を導入することにした。
週の初めに、子どもたちに10枚のチケットを与える。チケットを1枚使うと、30分はテレビやネットができる。しかし使わずにとっておくと、1枚につき50セントと交換できる。
1週間テレビもネットも我慢すれば、週の終わりには5ドルが手に入るというわけだ。
またボーナスポイントとして、30分間読書をすれば1枚おまけのチケットが手に入ることにした。
通常のチケットと同じく、テレビやネットに使ってもいいし、お金と引き換えてもいい。


ボーナスポイントとして、30分間読書をすれば1枚おまけのチケット」は今回読んで知ることができたインプットの褒美そのものじゃないですか!

テレビやネットにチケットを消費してくれればこちらの財布にも響かないし、子どもも自分の報酬として獲得したものですから、時間内は引け目なく堂々とテレビもネットも楽しめる。

我慢すれば貯まるシステムも、親が口うるさく言わなくても浪費癖しなくなるメリット。
まさに子育て(金銭感覚・我慢を覚える)の仕組み化!
チケット制は我が家でも検討の価値ありです。

どんな親も子育ては毎日はじめての経験の連続


親として子どもを“ご褒美”(ニンジン)で釣ることは、感情論で言えば悪いと考えている親御さんも多いことでしょう。

ウチもブログで偉そうに書いていても実際のところは…書けないことも多い。。。

頭ではわかっていても実際は「あとでお菓子(おもちゃ)を買ってあげるから静かにしていてね」など子どもが騒がしくなるのが困るシーンで母親が子どもに言うようなこともあるでしょう。

本書では、ここでは書ききれない『勉強しなさいの効果→結論はネルギーの無駄遣い』や『ほめて育てるべきか』など、科学的な根拠や統計で得られた学力向上の効果だけではなく、子育てにも通ずる話が多数あります。

子育て世代には、是非とも手にとって読んでみて、我が家でも実践してみようと思えたら真似してみてみるべき実証結果がたくさんあります。

まだ2015年の読書は終わっていませんが、「学力」の経済学は今年のベスト3に入る傑作です。

「学力」の経済学

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