分析 資料 レポート

楽天・全世界株式インデックス・ファンド 第1期運用報告書が公開されましたが、「楽天・バンガード・ファンド 」シリーズの売買委託手数料が1万口当たり17円と高いのではないかという問い合わせが多くあったようで楽天投信投資顧問がレポートを出しています。

運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について|楽天投信投資顧問(PDF)

1年目のファンド、特に純資産残高が大きく伸びている投資信託の場合、仕組み上、運用報告書では大きな金額が出やすい計算式になっているので、今回をキッカケに理解をしておきましょう。

Q.
同シリーズの中で純資産総額の大きい「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」および「楽天・全米株式インデックス・ファンド」で確認したところ、当該運用報告書「1万口当たりの費用明細」に記載のある売買委託手数料が 、相対的に金額が大きいようですが、何故でしょうか?

A.
運用報告書は投資信託協会規則に則り作成されており、売買委託手数料は、以下の計算式にて算出することとなっています。

2018-10-07.png

ETF 売買の都度発生する売買仲介人に支払う手数料の期中累積が計算式の分子になります。一方、分母については協会規則に則り、期中の各月末現在の受益権口数の単純平均が用いられます。


楽天・全世界株式インデックス・ファンドを例に取ってみますと設定日に500万口からスタートして、1回目の決算日が99億8848万2779口となりました。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 運用報告書全体版(PDF)より

分母にある「期中の平均受益権口数」を知りたいので、「(期首口数+期末口数)÷2」の計算式に当てはめますと。。。
「(500万円+99億8848万2779口)÷2」なので49億9674万1390口が第1期の平均受益権口数となります。

第1回決算日時点(期末口数)に対してザックリ半分です。

今回の売買手数料は1万口当たりの費用が17円でしたので逆算してみました。

売買委託手数料÷平均口数×10000=1万口当たりの売買委託手数料
 ↓
X円÷49億9674万1390口×10000=17円
 ↓
10000X=17×4996741390
 ↓
X=849万4460円

第1期の売買手数料は849万4460円でした。

もしも2期目の決算でも純資産残高が順調に伸びて期末口数が210億口になったとします。

「(期首口数+期末口数)÷2」の計算式に当てはめますと
「(99億8848万2779口+210億口)÷2」なので154億9424万1389口が第2期の平均口数となります。

1期目と変わらない売買手数料だった場合の1万口当たりの費用を計算しています。
849万4460円÷154億9424万1389口×10000=X円
X=5.48円

1期目の1万口当たりの売買委託手数料17円から、2期目が特にコストを引き下げる努力をすることなく協会規則に則って計算されたとしても結果は5.48円まで下がります。

1期目 17円
 ↓
2期目 5.48円(仮)

もちろん仮の話で、2期目の純資産が1期目と変わらず順調に伸びればこの程度、純資産残高が横ばいになると分母に大きな変化がなくなるのでより実態に近づく数値になるでしょう(運用会社的にファンドが売れないのは嬉しくないが)。

ファンドの資産が大きくなることによって、売買手数料にブローカー側から大口割引が採用されて値下げが起こる場合だって考えられます。

車の運転に例えると「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の1年目とは停車からのスタートでアクセルを踏んで加速させているところです。

アクセルを踏んで加速させながら2速・3速とギアを上げていき、5速までシフトアップしていけば高速道路の安定クルージングといったところでしょうか?

車の燃費で一番悪いのは加速時で、安定速度に達したあとは、急激なアクセルやブレーキ操作をしなければ基本的には少ないアクセルの踏み込み量で高燃費を維持できます。

 参考  小さな純資産規模の頃の投資には理解と寛容が必要ではなかろうか

期待されて登場した純資産残高の伸びが順調な投資信託の1期目の運用報告書は、見るときに注意で出た数字に対しても「まぁ1期目だから…」と参考程度に留めておくことも必要かもしれません。
関連記事

スポンサーリンク

関連コンテンツ