まず、クォンタム・ファンドの投機家ジョージ・ソロスはほとんど触れていません
それ以降の慈善の道を選んだソロスの話で進みます。

だから投資や投機を期待して読んでしまうと失望してしまいますが
ソロスの慈善の道を選んだ理由あたりも生い立ちから見れば当然の帰結だろうし
ソロスの本当の姿を知るにはこれが正しいとも思えます。

慈善や寄付の考え方で非常に興味深く思えたのが「かつては日本の企業も寄付に熱心だったがバブル崩壊と共に低迷してしまった」と言う問いに対してソロスはキッパリと否定し

「わたしは、企業が行う慈善活動には賛同しません。寄付は、経営者が個人資産のなかからするべき」

と返答し

ビル・ゲイツ等の経済界の慈善活動の参加などについても評価する一方で

「しかし同時に、現在のアメリカでは悪い状況も見られます。
・・・格差が広がっている・・・貧富の差が大きくなり、それが拡大している社会は、何かが間違っている
・・・世界中の不幸な人びとの世話を、一部の金持ちの慈善家だけに任せておくわけにはいきません。」



この辺りは目から鱗です。ユダヤ人であるソロスの哲学が見えます。
寄付とは個人が行う気持ちだろうし収入の大小に関わらず自分に出来る範囲で寄付を行ってみると言うことですかね?

改めて言われてみれば当たり前過ぎる話です。
ただ格差についてソロスもそこで

「平均的収入の人びとは恩恵を受けていません」



とあるように世界中にいる平均的な人びとは寄付をする余裕がないのが現代社会の現実である
それはつまりは困っている人びとがいてもそこに手を差し伸べる人びとに「ゆとり」がないってことだと思う。

ジョージ・ソロス投資と慈善の哲学 (NHK未来への提言)ジョージ・ソロス投資と慈善の哲学 (NHK未来への提言)
(2008/01)
ジョージ・ソロス、山本 正 他

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さらに日本に限って言えば国家や企業だけが熱心に社会貢献活動をしてきた弊害で寄付について日本国民はリテラシーが無い
たまにニュースなんかでお札がポストに入っていたり路上にばらまかれていたりする。
これって使い道に困るほどのお金を手にした人が寄付をしてみたい気持ちのあらわれかも知れない。
そして日本人は寄付の知識があまりにも無いからこんな形であらわれてしまうのかも知れない。



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