この清貧の思想が世に出たのは1992年秋、長い年月を経て現在読んでも色褪せることなく身に染みて学ばなければならないと感じるのは名作だからか?
それとも長いバブル崩壊後遺症の中、日本国民がそこから何ひとつとして教訓が残されなかったのか?
どちらとも言えるしどちらにしても未来に残るべき傑作である
過去の詩人が残した美しい言葉は未来へ伝える哲学であり日本の未来を憂い遺言だったのかも知れない

清貧の思想 (文春文庫)清貧の思想 (文春文庫)
(1996/11)
中野 孝次

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現代人は有形の価値しかわからなく無形の価値を理解出来ない風潮がある
子供をテストや偏差値の数字で見て
絵画も高値が着いたモノに価値があると見る
平均寿命やGDP、スポーツの祭典ではメダルの獲得数・・・。

数字として目に見える価値だけしか評価出来ないのは所有をはじめとする欲望に精神が支配されてしまったからだろう

文中では歴史上の詩人が登場するが吉田兼好の徒然草が度々引用される

著者はその徒然草の重点を「所有を必要最低限にすることが精神の活動を自由にする
所有に心を奪われては人間的な心の動きが阻害される」とあるが清貧の思想をよく表した言葉です

本も終わりに近づく頃に何気なく登場する一言「人生とは足し算ではないのだ」著者の核心に迫る言葉だろう
人生とは足し算ではない・・・何かを求めて何かを失う・・人生も世界もゼロサムですから
この奪い合いの社会からの脱却こそが清貧の思想なのかも知れない



これは元々まろさん(投資を楽しむ♪)の推薦書なのでこちらからも内容の紹介

中野孝次「清貧の思想」

夏休みの推薦図書

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