歴史に残る世界恐慌の時代にケインズが発表した『雇用・利子および貨幣の一般理論』当時の経済学では説明出来なかった不況のメカニズムを世に示した
ただ不況のメカニズム「不況動学」は不況を経過し好況のサイクルに進むと人間は都合よく忘れ批判の的にすらなる

先進国には投資機会がなく「豊富のなかの貧困」が起こる

総需要を増やす目的の投資はその場しのぎ

生産性向上の効率化ではなく需要創出のための効率化が重要

貨幣保有の願望(貯蓄)がデフレを引き起こし貨幣の存在が需要不足の理由とも言える

不況のなか政策の方向性として「構造改革」か「財政出動」は必ずテーマとして上がるが日本最大の資源とは労働力である
そしてリストラによってスリム化させる効率化では失業手当が増えてしまう
つまりは不況期においては財政出動して仕事を与えることこそが効率化である
資本の縮小化・リストラ・構造改革・・・これら残された者だけを救うノアの箱舟ならばはじかれた者は・・?失業手当の費用が増すだけである

さらに失業手当を支払われても不況期には所得から貯蓄へのマインドが高いから穴を掘って埋めるだけの仕事でもマシになる
100投資して30の便益が残せなくても便益がゼロになるまで財政出動したほうが良い
(この部分が公共事業のすすめとなり誤解されケインズの批判に繋がる)
これは民間企業だと100投資したら100以上の利益がないと実行されないのと違い国でしか出来ないことなのだろう

この本では自分なりに常識としていつの間にか覚えてきたものがガラガラと崩れ落ちた
いままで100冊以上の数えきれないほどの本を読んできたけれど超オススメの一冊

これは一読するべきです

ケインズの一般理論は読んだことないし難解なパズルとも言われるが小野教授のこれは理解しやすい

そして不況動学とは不況というサンプルがないと研究が進まないし未だ完成されていない学問だろう
だからこそ今回の歴史的な不況が不況動学の発展となり今後の政策に活かされることを心の底から望む

ただ不況期を乗り越えた頃には相変わらずな人類は高リスクな行動に向かい
同じような過ちを犯すのだろうけれど。

不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)
(2007/04)
小野 善康

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