国内籍のETFで海外株式インデックスを組成する場合の問題点シリーズ!?の続編です

過去の記事を参照
国内ETFがニッチであり続けることの答えは税制が複雑だからかもしれない 2009/12/09
日興AMが「MSCIコクサイ」と「MSCIエマージング」に連動するETFを設定! 2010/01/06
国内籍の外国株式ETF配当金問題は想定の範囲内・・・なのだ(泣) 2010/01/09
先進国株式指数のホンネの信託報酬を試算する 2010/01/14

そして今回注目の記事はこちら QUICKマネーライフより
【第141回】投信ニューフェース『上場MSCIコクサイ株』『上場MSCIエマージング株』(日興AM)
それではメモメモ

運用形態は日興AMが運用する国内籍のファンドに投資するFOF形態で行う。投資先のファンドで実質的な指数連動運用を行う。
同時に組み入れる「マネー・アカウント・マザーファンド」はFOF形態にするうえでの付随的なファンドで、組み入れ比率はごくわずか。
FOF形態にする理由は、「投資先のファンドを将来的に他のETFからも買い付けられるようにする。新しいETF商品の展開をしやすくし、投資先ファンドの拡大に伴う規模の利益(管理コストの低減)を追求する」(今井氏)


今後のラインナップを睨んでのFOF形態
運用形態は日興AMが運用する国内籍のファンドに投資するFOF形態・・・住友信託銀行が受託者なのでこのETFはケイマン籍ではなく国内籍ファンドでした PDF P.36を参照

「日本株ETFのように、海外株式の現物を拠出してETFを設定するスキームにする場合、設定者が現物株(海外株式)をETFの口座に振り込むことになり、海外の各振替機関にて設定者の口座とETFの口座間での株式の振替(所有の移転)が発生する。
ただこの時、振替の指図後に実施される現物株の受け渡しが何らかの理由により失敗する(履行されない=フェイルする)ことが往々にして起こりうる。日本でその振替失敗が分かった時には、海外の各振替機関は既に業務を終了している時間にあたり、リカバリーが効かない。そもそも国によっては株式の振替が制度的にできない国もある。
振替できない部分の代わりに現金をETFに拠出するという方法も考えられるが、日本の現行制度上、現物株と現金双方を混合して拠出する仕組みのETFの組成ができない。米国では現物株と現金双方の混合拠出が可能となっている。今回のETFは現金設定・現金償還型のETFだが、日本の現行ETF制度の下では現実的な仕組み」


日本の地理的な問題。時差があり市場の開いている時間がまったく重ならない問題がここにあります
日本のETF制度の問題で海外モノがうまく作れないのも当然ありますね?

租税条約の取り決めがある国においては、税率の低減や還付ができる国がある。例えば米国の場合は、非居住者の米国株配当に対する課税率は30%だが、租税条約のある国の投資家への適用税率は低減税率(日本人の場合は10%)になる。
このため、一般の国内籍公募投信が米国株を組み入れた場合、10%の低減税率(現在)が適用されているが、これは日本の投資家のみが100%保有するということが前提になっている。
一方、国内の取引所に上場するETFは、海外居住者が海外から自由に売買できる。この時に例えば米国株の配当課税を10%の低減税率で処理した場合、結果として租税条約上の恩典を受けられないはずの海外投資家にも恩典が及ぶような商品性になっていると、各国課税当局から指摘を受けるリスクがあるといった背景があるようだ。


国内籍の投資信託なら買う人は日本人に限られるのでOKだったものがETFになると外国人も自由に参加できる結果・・・「もしETF(投資先ファンドを含む)で現物株を保有した場合は、低減税率方式をとる国の配当金に対し、現状では、租税条約上の恩典を受けない高率な方を選択せざるを得なくなる」こうなってしまいます(汗)

この目減りしてしまう配当金問題を解決するために編み出したアイデアが

日興AMは『上場MSCIコクサイ株(1680) 』『上場MSCIエマージング株(1681) 』の投資先ファンドの運用において、各国の株価指数先物と短期金利を使った運用を駆使する。現物株拠出に固執していては決して生まれない、発想の転換による新たな指数連動型運用手法とも言える。

投資先ファンドに組み入れるのはあくまで各国を代表する株価指数先物。現物株にも投資するが先物運用が軸となる。
国によって適当な先物が無い場合、欧米上場のETFを限定的に組み入れる場合もある。米国株については、現物株をほとんど組み入れない見込み


すごい技・・・株式投資をしている実感がないなぁ・・・だって実体がないんですから?
先程のPDF P.17にも“・・・内外の短期公社債などに投資しつつ、株価指数先物取引に係る権利を中心に投資・・・”という記載があります

先物運用では株価指数先物取引の満期(最終取引日)が訪れるごとに次の限月に切り替える限月切り替え(ロールオーバー)が必要となる。限月切り替えが低コストでスムーズに進むかどうかも運用の鍵になる。
先物運用でMSCI指数採用銘柄の現物株運用を完全に模擬できたとすると、(国内税引き前分配金込みの)基準価額の変動は、現地源泉課税前の配当金込みMSCI指数値の円換算値に理論的には一致するよう近づくはず。日興AMの運用力の見せ場となる。


なんかアクティブファンドの説明みたくなってきたような・・・。
最後にP.13を要チェック
このETFの「属性区分 投資対象資産」は株式ではなくその他資産になっています。ここの部分を生理的に受け付けるかどうかもポイントになりそう

最後にまとめ
この日興AMのETF(コクサイ&エマージング)は現行の日本の制度の中でやれる限りのベストを尽くしていると思います
この形式じゃないとインカム収益が大幅な目減りをしてしまうので株式投資のカタチをした先物運用を取らざるを得ません
日本の現行制度上、現物株と現金双方を混合して拠出する仕組みのETFの組成ができない・・・ここが規制緩和されると新しい道が開けるかもしれません

日経ヴェリタス「ETF、不振の理由」まとめ

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