いちおう資産運用ブログなのでたまには個別企業の話です
過去最高益を叩き出した、ABCマート流「儲けのカラクリ」 MONEYzine
靴の小売りチェーン「ABCマート」を展開するエービーシー・マートが今月8日に発表した2009年2月期の連結決算は、売上高は10%増の973億円、純利益は前期比5%増の110億円と、ともに過去最高を記録した。
消費不況により小売業界でも多くの企業が業績不振に陥るなかで達成した増収増益だけに同社の強さが目立つが、その好調の要因は「積極的な新規出店」と同社独自の販売マーケティングによるものが大きい。
・・・長文が続く・・・。

青がABCマート・赤がTOPIXの比較チャート
5年でざっくりとTOPIXが-30%なのに対してABCマートは+50%の好パフォーマンス
不景気の最中この過去最高益の話は素晴らしいのですがABCマート流「
ホントの儲けのカラクリ」は書ききれていない感じがします・・・と言っても自分がすべてを知っているわけでもないのですが・・・。
MONEYzineの記事中にあるように積極的な新規出店はABCマートの生命線ですが店舗の規模と出店場所に特徴があってそれが
・一極集中
・小規模店舗こんな感じです。本店のある上野周辺とみると御徒町店・本店・1号店・上野店・GALLOP 上野店と5店舗
稼ぎの渋谷周辺を見ると 原宿店・コルソナポレオーネ渋谷店・GALLOP 渋谷店・渋谷店・渋谷センター街店・NUOVO 渋谷店と6店舗
そしてそれぞれが小回りの利く小さい店舗で得意な地域を埋め尽くす戦略なわけです
それと流行りなものに敏感・・・というか流行りそのものをABCマートが発信しているのが靴業界の現状だとも言えます。家電のヤマダに似ている!?
それと記事の後半にある
またもうひとつの特徴が店内のフロアに販売員が多いことだ。「ABCマート」では1店舗あたり約15人を配置しており、これは同業他社と比べても4割ほど多いという。
なぜ人員が同業他社と比べても4割も多くできるのか?
・・・なぜなら週末や祝日には本部の人間がすべて現場に出向いて接客しているからです
休日には社長も幹部もどこかの店舗の売場にいます
それが人員が多く見えるのでしょう?平日はもっと少ないはずです
ちょっと考えればこの効果は大きいのがわかります
本部の平日は戦略会議をするとしても現場の流行が理解できなければ無意味です
・・・でもトップも含めたすべての人達が現場の空気を知っている!
現場も忙しい週末には人員を無コストで確保できるし平日は最小限で回せる
現場に本部のいろんな人達が来てくれるのでそこで交流もできる。他店と自分の店舗の比較もできるでしょう?
この部分が自分のABCマートの一番好きなところです。この良い伝統が変わらない限りは靴業界で不動の地位を維持し続けるんじゃないでしょうか?
だからこの記事の最後に
為替相場の変動などが事業に影響を与えるリスクはあるが、仕入コストさえ安定すれば来期も増収増益が期待できそうだ。
・・・とあるが自分は違う理由で来期も増収増益が期待できると思っています
※これは
ひふみ投信の藤野さんがABCマートに企業訪問したときに感銘したこぼれ話です
https://toyop.net/blog-entry-679.htmlABCマート流「儲けのカラクリ」