最近はAIJ投資顧問による企業年金消失事件など公的年金でない年金消失事件が多すぎるので失敗から学ぶべきことを考えます
東京商工リサーチによると中央会は1953年設立で、加盟する酒販業者への共済事業として年金を運用していた。年金契約者数は約1万5千人という。公的年金は運用していなかった。
中央会は2002年ごろから、カナダの法人が発行する「仕組み債」と呼ばれる債券に、掛け金のほぼ全額に当たる約145億円を投資して失敗、回収できなくなっていた。47NEWSより
- 仕組み債に投資した
- 集中投資した
- 一発逆転を期待した
仕組み債に投資した
そもそも仕組み債とは何なのでしょうか?
今回の破綻例のカナダの法人が発行した債券の中身はわからないけれど仕組み債とは名前のとおり一般的な債券にはみられないような特別な「仕組み」をもつ債券です
投資家や発行者のニーズに合うキャッシュフローを生み出す仕組みですね
本来の債券がもつ信用リスク&為替リスク&価格変動リスク以外のリスクも組込んだ債券です
仕組み債=債券+デリバティブ
「仕組債」とは? - 日本証券業協会
集中投資した
ほぼ全額となる145億円を投資して失敗って・・・考えられません
おそらく薦められるがままに期待リターンの高そうなこの運用に期待して賭けてしまったのでしょう
当たり前ですが高すぎる期待は失望も大きい・・・普通の運用ならば消失なんてありえませんよね
一発逆転を期待した
それではなぜ少し考えれば誰にでもわかるような危険なギャンブルをしてしまったのかは時期をみればわかる
全国小売酒販組合中央会は1953年設立で加盟する酒販業者への共済事業として年金を運用していました
仕組み債に手を出したのが2002年頃とありますので株価の底付近です
思うにこの時期は期待リターンから大きくマイナスとなってしまったが為に詐欺まがいのよくわからない中身への投資をしてしまったのでしょう
気持ちはわかりますが資産運用の基本を知っている人が私的年金の担当者だったら・・・と感じます
AIJ詐欺事件の時もそうですが大金を預かる人が営業やプレゼンで魅力的と感じるままに考えもしないで全力で運用を任せる素人が多すぎます
これが企業年金のすべてだとは思いませんが一部のこのような一発逆転狙い運用は規制があっても仕方がない時代が来るかもしれません
なにしろ被害者は年金契約者なので数万人単位と影響はデカイですからねぇ・・・。
例えば「私は過去に☓万円を☓億円にした投資家です」と豪語するようなインチキコンサルタントにお金を任せるくらい危ない橋を渡るってことなのです
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