
自営業者等の少ない基礎年金に加え所得等に応じて加入口数や給付の型を自らが選択することにより老後の所得保障の充実を図ることを目的とした国民年金基金にほころびが見え始めています
(要約)
- 4月以降に国民年金基金へ加入する人の保険料を平均で7%程度引き上げ
- 加入者に約束する予定利回りはいまの1.75%から1.5%に引き下げ
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国民年金基金、保険料7%上げ 新規加入4月以降
年金、制度再設計急務に 国民年金基金保険料上げ
国民年金基金の制度には無理がある
今回の予定利回りが1.75%から1.5%に引き下げは04年4月に3%から1.75%に引き下げて以来、10年ぶりだったそうで右肩下がりに予定利回りが下がっています
理由は最近の株高で運用が改善されていても高齢化の影響で財政状況は悪化が止まらないのです
なぜ4月以降の新規加入者だけが予定利回り低下で現在加入している者はそのままなのか
それは積立不足だからです
その積立不足(足りないお金)は新しく加入したひとの掛金を充てるシステムとなっています
ねずみ・・・!?
無理のない制度 確定拠出年金がある
どうしても国民年金基金に加入したいのならばいますぐ(予定利回りの低下前)がよいでしょう
ただ高齢化&少子化という流れの中で国民年金基金にしがみつくのも恐ろしい
国民年金基金とは確定拠出で確定給付という年金です
リターンは保証して掛金もまた一定額というカラクリには上記のように必要な積立金に対して不足がある場合に自分ではない誰か(新規加入者)が利回り低下など損を背負います
この国民年金基金制度とは別の確定拠出年金制度という仕組みがあります
こちらは国民年金基金の確定拠出で確定給付と違い拠出(掛金)だけ自分で決められます
リターンは運用次第で国民年金基金のリターン(予定利回り)の1.75%や1.5%より大幅に運用益が出ることもあれば運用損となる場合もあります
まさに自分の老後は自分で決めるシステムで誰にも迷惑をかけません
この掛金は最大で68,000円で国民年金基金の上限とまったく同一となっています
ちなみに確定拠出年金にも元本確保型商品があります
自分も加入しているSBI証券 個人型確定拠出年金の元本確保型商品
第一のつみたて年金(5年) 第一生命 0.175%
スミセイの積立年金(5年) 住友生命保険 0.100%
保証利率が0.175%や0.100%は国民年金基金(1.75%や1.5%)と比較してべらぼーに低い・・・それだけ国民年金基金が高すぎるってことでもあるのかもしれません
そもそも長期国債(10年)より高い利回り(現在0.58%)を保証している国民年金基金のリスク・プレミアムはどこから来ているんだって感じでもあります
もしかしたら3月には国民年金基金の加入ラッシュが起こるかもしれません
そこは老後安心のノアの方舟となるのか沈み行く泥舟となるのか・・・。
国の制度である以上はダメになるとは考えられませんが今後どうなるのか興味深い話です
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