
臆病者のための億万長者入門を読みました。
橘玲ワールドは今回も絶好調
この爽快感を味わうために読んでいるのかと錯覚してしまう。
今作品も「資産運用の常識」を著者独特の文才で気持よく心に落ちていきます。
3章では「投資においてもっとも大事なのは、損しないことではなく騙されないことだ。」(P.68)と紹介されていたのは伏線だったのかとニヤニヤしながら面白さ倍増。
これ1冊で資産運用法を網羅するようなものではないけれど、文学作品好きで資産運用に興味があるのならば、名著巡りの途中で橘玲作品も読んでみるのがいいかもしれない。
例として宝くじについて、どのようにバッサリ斬り捨てているか紹介します。
(P.43より引用)
宝くじの商品特性を金商法の理念に照らすと、券面にはリスクとコストを次のような文面ではっきりと書く必要がある。
「宝くじの購入にはリスクがあります。1等の当せん確率は1000万分の1で、宝くじを毎回3万円、0歳から100年間購入したとしても、99.9%の購入者は生涯当せんすることはありません」
「宝くじには、購入代金に対して50%の手数料がかかります。宝くじの購入者は、平均して購入代金の半分を失うことになります。」
(P.47より引用)
宝くじは税金とよく似ているが、消費税や所得税などとちがって国民全員に課税されるわけではない。
宝くじを通じて「税金」を納めているのは、確立を正しく計算できないひとだけだ。
そのため経済学では、宝くじは「愚か者に課せられた税金」と呼ばれている。
いかかでしょうか?橘玲の世界観に数字が加わると説得力を倍加されます。
この一文を読んだだけで、宝くじに大金を注ぎ込むことがバカバカしいか学ばせてくれます。
※個人的には宝くじや競馬を楽しむ程度に遊ぶのはアリ派です
こんな調子で進行していくのだから読み疲れることなくページが進む!進む♪
必死になって難しい投資理論を学ぶのではなく、純粋に読むことが気持ちいいクールな作品。
橘玲作品はブログで過去に2回ほど紹介しています。
2008.08.05 黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
2013.06.17 橘玲ワールド全開の破滅シナリオ攻略法(日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル)
過去に紹介した2作品と同じく今作品も途中で一気に読み終えることができます。
投資の名著で頭が痛くなることはあっても、橘玲作品に限っては『学ぼう』と強い気持ちを持って臨むようなものではないでしょう。
文学作品として、小説として、橘玲ワールドを楽しむのが読み方として一番のおすすめです。
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