
米国最大の公的年金基金であるカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)は、ヘッジファンドへの40億ドル(約4300億円)の投資を全て引き揚げる計画とのこと(Bloomberg)
その理由がコストが高過ぎることと複雑さであったことがわかりました。
この「コストが高過ぎる」「複雑さ」は資産運用を考える上で重要なことです。
この先進的で巨大なカルパースの決定は、他の州の年金基金の運用や他国にも影響力が出てくることでしょう。
ヘッジファンドビジネスの終焉すら予感させます。
ヘッジファンドは結局、平凡以下だった
記事によると、カルパースのリターン目標はプラス7.5%であったのに対して、過去10年のヘッジファンド投資のリターンは年率でプラス4.8%とのこと。
わたしのインデックスによると、2014年8月時点のS&P 500 (配当込み)の過去10年のリターンを確認してみると、年率でプラス8.4%でした。(米ドルベース)
単純に誰でも(米国人にとって)、模倣することが可能なS&P 500のバイ・アンド・ホールドに大きく劣る成績だったことも、コストだけではない理由のひとつだったのかもしれません。
ヘッジファンドのコストは高すぎる
記事によると、昨年度(13年7月-14年6月)にヘッジファンド投資で1億3500万ドルの手数料を支払っています。
冒頭にも書いたとおりに、ヘッジファンドへの資産配分は40億ドル(約4300億円)の規模だったことから、3.35%もの高コストな手数料を支払っていたことがわかります。
ヘッジファンドですので、コストの内訳が運用管理費用(信託報酬)なのか成功報酬なのか不明ですが、誰でも購入することができるシンプルなインデックスファンドならば10分の1程度の手数料で資産運用することができます。
(結論) ヘッジファンドいらね
ヘッジファンドとは日々の価格が把握できないブラックボックスの世界です。
成功報酬が高すぎるのに、シンプルにバイ・アンド・ホールドするS&P500に劣る成績。
カルパースがコストが高過ぎることと複雑さを理由に撤退をすることは、個人投資家にとっても重要なヒントであり答えを示しています。
個人投資家にとって資産運用をするうえで大切なことは「低コスト」で「シンプル」です。
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