
前回の記事日米のモーニングスターでは投資信託の分配金情報に違いがあるでは、日本と米国では分配金についての理解に大きな差があることがわかりました。
これについては過去記事でも何度か取り上げていた件なのですが、復習してみると同時に、異常な風習であるタコ配ファンドは、日本国籍のインデックスファンドで評価の高い無分配(もしくは少額の分配)ファンドと密接な関係があるのではないか?という考えにたどり着きました。
投信分配金に回せる原資の国際比較
投信分配金に回せる原資の国際比較をおさらいします。
この比較表は、日本経済新聞2012年1月27日に掲載されていたのですが、とても重要な情報なのでブログでも何度か引用しています。
配当・金利収入 | 値上がり益 | 投資家の元本 | |
日本 | ◯ | ◯ | ◯ |
米国 | ◯ | ◯ | ☓ |
英国・フランス | ◯ | ☓ | ☓ |
タコ配ファンドとは「配当・金利収入」「値上がり益」のほかにも「投資家の元本」という運用の成果とまったく関係のない元本から投資家に払い戻しされるのを認めた現象です。
日本のインデックスファンドには奇跡が起きている
日本における最近のインデックスファンドには、税制上問題視されない無分配は3~4年(該当記事)という都市伝説があります。
これによると、先駆者であったSMTインデックスシリーズに続いて、他社の低コストインデックスファンドシリーズも分配金を吐き出す可能性も高まっているのですが、ニッセイ日経225のように設定されてから現在の10期まで無分配を継続しているケースもあります。(該当記事)
前回記事にあるように米国のインデックスファンドでは、経費を除いた配当金収入を分配金として出していることでベンチマークから超過することなく連動しています。
マネックス証券で購入可能な米国籍のバンガードであるバンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドもまた分配金を1年分合計すれば、米国株式市場の配当利回りと同等の分配金利回りです。
無分配実現している日本は比較表にすると、このように見ることもできます。
配当・金利収入 | 値上がり益 | 投資家の元本 | |
無分配日本 | ☓ | ☓ | ☓ |
日本 | ◯ | ◯ | ◯ |
米国 | ◯ | ◯ | ☓ |
英国・フランス | ◯ | ☓ | ☓ |
金持ちけんかせず
左の人 右の人
ふとした場所できっと繋がってるから
片一方を裁けないよな
僕らは連鎖する生き物だよタガタメ|Mr.Childrenより
シフクノオト
(2004/04/07)
Mr.Children
商品詳細を見る
若年層がコツコツ積立をしている低コストインデックスファンド
高齢者が退職金などで購入する毎月分配型投資信託(多くのタコ配を含む)
この2極化した相反する投資信託は繋がっているようにも思えてきました。
考察
日本の投資信託事情は諸外国と比較して異常とも言える現象(運用資産の取り崩し)がありガラパゴス化されています。
ただ、タコ配の存在がある一方で無分配ファンドを黙認している事情もあったとするのならば、低コストインデックスファンドを積立するコツコツ投資家は、毎月分配型投資信託(多くのタコ配を含む)を購入していく高齢者に感謝をするべきなのかもしれません。
なぜなら、タコ配ファンドも無分配ファンドも個人的に選択することが可能なのだから、自分が正しいと決めた一方の『選ばなかった人生』をdisる必要もないのです。
手の届く範囲にいる身近な人にだけ助言すればいいのではないでしょうか?
もちろん、タコ配規制強化をしても、無分配期間について容認してくれるのであれば最高であることは言うまでもありません。
※過去の活動にあるように分配金という制度そのものがイラネ派です
スポンサーリンク
関連コンテンツ
カテゴリ
タグ