本を読む

預金バカ 賢い人は銀行預金をやめているを読みました。

タイトルは『預金バカ』ですが、著者のである中野晴啓さんは『投資信託バカ』である。
ただし中野さんに対する『バカ』は最高の褒め言葉として呼ばせていただきますが…。

セゾン投信株式会社社長としての本なのですから、自社ファンドの宣伝をメインにしているのかと思いきや、第1章で資産運用についてのレクチャーは終了してしまいます。

ところが、この本の最大のみどころは圧倒的に第2章と言い切ってよいでしょう!

セゾン投信誕生秘話は投信マニア必見の内容!


第2章「私はこうして投資信託ビジネスを起業した

なにこの紆余曲折で波乱に満ちたセゾン号の船出は!

セゾン投信がカタチになる前に運用していたファンド「未来図」の失敗、澤上篤人(さわかみファンド)との出会い、林野社長への直訴(手紙)、船出目前での衝突と左遷、挫折から再度の奮起、最後の試練…。

セゾン投信誕生秘話のストーリー。ノンフィクションは小説よりも面白く凄まじい。
業界の闇(手数料ビジネス)を打開するのは業界のタブーへの挑戦でもあった。

中野社長には長期投資の投資信託を作るという大きなロマンがある。

まったくもって正当な主張がなんでこんなに大変だったのか?
読んでみた感想として『中野社長の覚悟が試されていたのではないか?』とさえ思えてくる。

今でこそ、直販投信も長期投資も普通になった現在。
セゾン投信が運用する2ファンドの合計資産残高は1000億円を突破している。

まだまだ眠れる金融資産から見れば微々たるものだと著者は感じているのかもしれませんが、日本の投資信託に革命を起こしている1000億円といっても過言ではない。

第2章のストーリーは映画化されたら、投信マニア・金融マニアに絶対ウケると思うのだが…。

直販投信のセミナーは全国でおこなわれていて、セゾン投信誕生秘話を当然のように知っているひとも多数かもしれませんが、中野社長という奇跡はもっと知れ渡ってほしいところです。

現在は、バンガード社とタッグを組んでいる状況ですが、究極的にはセゾン投信そのものが『未来図』のような自社ファンドを自前で運用するのが究極の目標なのかな。
共済のような仕組みの投資信託ができれば、セゾン投信そのものが日本のバンガード(先駆け)となることでしょう。
※セゾンGBFがダメという意味ではありません

預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている (講談社+α新書)預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている (講談社+α新書)
(2014/07/23)
中野 晴啓

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おなじく投信ブロガーであるいつか子供に伝えたいお金の話の虫とり小僧さんもまたレビューを書いています

『預金バカ ~賢い人は銀行預金をやめている~』(中野晴啓著)を読みました
(ブログ記事を拝見してみると、やはり第2章が面白かったようです)

(こちらでも関連記事として紹介しています)
2014.12.28 2015年 ブログ経由で売れた本の紹介
2015.05.24 セゾン号1000億突破!歓喜する乗客!列車は進む!

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