
金融庁は今事務年度(14年7月~15年6月)の重点課題に資産運用会社の改革を掲げているのですが、その内容は金融庁の本気と可能性感じることができます。
個人的には、資産運用会社のみならず販売会社も一斉点検してほしいって話。
日本経済新聞 2014/12/6
金融庁、資産運用会社を一斉点検 顧客目線へ是正促す
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金融庁の本気をザックリまとめ
運用会社がどのような手続きを経て商品を開発し、それを運用しているのか、リスク管理を含めて示すよう求めた。
販売会社と顧客である投資家の両方に、どのように情報を開示しているかも問うた。
「組織体制」も質問項目に盛り込み、顧客ニーズに沿った商品開発ができる体制になっているかどうか、企業統治も点検する。
1日改正された投資信託法は規制緩和で高い手数料の是正を求めている。
投信同士を統合する際、投資家に不利益にならないような資産内容の変更にとどまる場合は書面決議を不要とした。
投信を運用する会社だけでなく、乱立する不採算投信も再編し、投信の管理に必要なコストを大幅に圧縮できるよう促した。
考察
投資信託同士の統合は、利用者目線にたった事業モデルへの是正を求めているようです。
2012年4月1日に、『住信アセットマネジメント株式会社』と『中央三井アセットマネジメント株式会社』の合併して『三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社』が誕生しました。
インデックスファンドの世界でも、住信アセットマネジメント(STAM)と中央三井アセットマネジメント(CMAM)の投資信託が統合されるのか期待されましたが、ブランド名が刷新されただけで統合による低コスト化などの恩恵はありませんでした。
統合する時に、投資家に不利益にならないように投資信託の管理に必要なコストを大幅に圧縮できるようになれば、自社内の似たような投資信託をまとめて1本にすることだって不可能ではないでしょう。
利用者目線(投資家目線)からみたら、これが正常な投資信託ビジネスなはずです。
運用会社のみならず販売会社も一斉点検を
今回の記事では、運用会社の一斉点検となっていますが、どうしようもないクズファンドは販売会社からの意向で『仕方なく』設定されているものもあります。
投資信託の運用コストにおける販売会社の取り分が大きいファンドでなければ販売会社は積極的にセールスに回さないでしょうし、ネット証券以外では儲けの少ないインデックスファンドはまるで存在すらしていないような現状です。
販売手数料についても金融庁はもっと切り込んでいってもよいのではないでしょうか?
例えば、販売手数料が1%以上は違法!なんてルールさえあれば、手数料ビジネスにとって大打撃でしょうし、現在保有している投資信託を長く保有させる方向に販売戦略が変わる。
運用会社にとっても、その時の流行りのファンドを作成することも減ることでしょう。
現状の販売会社は客観的に見て、儲け過ぎですので販売手数料の規制や禁止があってもバチが当たりません。
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販売会社が強すぎるファンドは苦手だな
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