底力見せた自動車業界 地震復旧急ぐリケン

引用 イザ!
■各社応援700人

 新潟県中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎市にある自動車部品大手、リケンの柏崎事業所では、自動車各社などから700人もの応援派遣を受けて復旧作業が急ピッチで進んでいる。部品供給の途絶で全自動車メーカーの生産停止を招いたが、週明けの供給再開を目指し、21日には設備の試験運転が本格化した。自動車メーカーがこぞって駆けつけ、リケンが「作業が何倍も早まった」と驚く大規模な支援は、日本の自動車業界の底力を示してもいる。(上野嘉之)

 約1250人が勤務するリケンの工場には、自動車全社や、建設機械、造船などの供給先から技術者やベテラン作業員らが集結している。毎日、午前8時半、11時半、午後5時の3回にわたって現場リーダーら200人によるミーティングが開かれ、リケン柏崎事業所長の古市満専務らが復旧作業を指示している。

 地震直後、工場内は大型工作機械が倒れ、部品や工具が散乱。だが、21日にはほぼ元通りの配置に戻され、自動車メーカーとリケンの技術者が整然と設備の最終調整に取り組んでいた。ただ、1つの部品を出荷するまでには1000個以上を試作し、1000分の1ミリ単位で精度を確認する必要があり、自動車メーカーへの供給は23日以降になるという。

 今回、700人もの応援部隊が駆けつけたのは、リケンにとっても「信じられない事態」。16日の被災直後、自動車各社は先遣隊として十数人を調査に向かわせたが、被害の大きさを知ってすぐに増員。2日後に計400人、4日後には700人態勢へと膨らんだ。最大の350人を派遣するトヨタの社員が「同じ業界として、困っているときは助け合わなければいけない。だから、すべてのメーカーが集結している」と淡々と話していたのが印象的だった。

 リケンはエンジン部品の一つ、ピストンリングで国内シェア50%、変速機のシールリングではシェア70%を誇るが、主力工場で集中生産する態勢が災いし、地震で出荷が全面的に停止した。在庫を極限まで縮小してコストを削る「かんばん方式」や、1社への部品発注によって競争力を高めた自動車メーカーは、有力部品メーカーの供給停止という非常事態に、なすすべがなかった。

 思わぬ弱点を露呈した格好だが、問題は、この危機をいかに短期間で復旧できるかだ。自動車業界は今回、一丸となって危機を乗り切ろうと力を結集し、被災から1週間たたずに部品を供給できるめどをつけた。リケンの藤井多加志・営業管理部次長は、「ライバルとして競い合うときは競うが、こうして協調できるのも日本メーカーの強み」と話した。

引用終わり


すごくいい話です。日本の世界に誇れる部分ってこういうところだと常々思ってしまいます。
会社は競争社会だって言う人もいると思いますしそう思う人の自由ですが
会社は協力社会でもあるって考えるいいきっかけになる今回の一件になってほしいし今後もこういう風土は日本に残していってもらいたい部分です。
アメリカ的発想だとリスク軽減のために発注する工場を分散させてそこをコスト競争させて自分の利益にさせたり
片方の工場が火災や震災で操業不能になってももう片方があるから気にしないって感覚が必ずあります。
競争の社会では困っている人を助けると自分も困ってしまうのです。
外資系のある人事担当者が言った欲しい人材では
「自分より能力が低い人」です。
自分が生き残るためには自分以外は排除される対象になるのです。
自分の才能や能力に自信があって外資向きだと思う人はどうぞって感じですが
とにかく自分は日本のいいところ。世界に誇れる日本の美しい部分はしっかり受け入れて行きたいですね。
トヨタが自動車世界一になった理由は「カイゼン」もそうですが株主からの信頼も含めた日本の持つ風土もあったと思いますよ?

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