
低コストなインデックスファンドシリーズを展開する三菱UFJ投信のeMAXISシリーズですが、今回は『eMAXISプラス』とスパイスを効かせた投資信託をリリースします。
その名もeMAXISプラス コモディティインデックス!
コモディティインデックスとあるように、ブルームバーグ商品指数トータルリターン連動の投資商品となっています。
農業・エネルギー・工業用金属・貴金属・家畜などのコモディティアセットに分散投資します。
(三菱UFJ投信 プレスリリース)
『eMAXISプラス コモディティインデックス』募集・設定について(PDF)

気になる信託報酬は0.432%(税込み)ですが、マザーファンドが投資するETFの信託報酬が0.45%かかり、合計で0.882%となってしまうので注意が必要です。
日本では運用中のコストを信託報酬(運用管理費用)と呼びますが、海外ではエクスペンスレシオ(総経費率)と呼ばれています。
eMAXISシリーズ全般に言えることですが、純資産総額の伸びとともに信託報酬が低下していくシステムはありません。
純資産総額の上昇により恩恵があるのは、販売会社の配分増加となっています。
コモディティETFの信託報酬は全体的に高め
ETF名称 | 連動する指数 | 信託報酬 |
iShares Diversified Commodity Swap UCITS ETF (DE) | ブルームバーグ商品指数トータルリターン | 0.45% |
iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト(GSG) | S&P GSCI トータルリターン指数 | 0.75% |
パワーシェアーズDB コモディティ インデックス トラッキング ファンド(DBC) | DB コモディティ インデックス | 0.85% |
SBI証券の海外ETF取扱銘柄一覧より、2つのETFの情報を抜粋しました。
eMAXISプラス コモディティインデックスのマザーファンドが投資する『iShares Diversified Commodity Swap UCITS ETF (DE)』の信託報酬が高いと感じたのですが、調べてみると競合するコモディティインデックスETFよりも信託報酬が低めであることがわかりました。
比較表にある2つのETFについては、ネット証券の海外ETFでも直接投資することが可能ですが、eMAXISプラス コモディティインデックスの年率 0.882%(税込)と比較して圧倒的に海外ETFの方がコスト面で優位ということではなさそうです。
もちろんeMAXISプラス コモディティインデックスの実質コストは運用してみないと不明です。
オートフォリオは均等配分・・・ではない

資料を見ると、このようなポートフォリオ(セクター別構成割合)となっていました。
時価総額比率なのかよくわかりません。
家畜が6.8%ありますが、この中に『とよぴ~・ちんあお・ますいっち』はいません。
社畜も含まれていないので安心してください…!?
ファミリーファンド方式に疑問

『eMAXISプラス コモディティインデックス』は、マザーファンドである『コモディティインデックスマザーファンド』を通じてファミリーファンド方式で運用されています。
しかしながらマザーファンドは、iShares Diversified Commodity Swap UCITS ETF (DE)に投資を行い、ベンチマークであるブルームバーグ商品指数トータルリターン(円換算ベース)に概ね連動する投資成果をめざすのですから、実質的にファンド・オブ・ファンズのように思えます。
実際にネット証券で『eMAXISプラス コモディティインデックス』を見るときには、信託報酬が0.432%なのか0.882%なのか注目してみます。
eMAXISプラスには期待
eMAXISプラスは、いままでのeMAXISシリーズではできなかった挑戦が期待できます。
コア戦略ではやり辛かった投資対象も、海外のETFを通じて運用する敷居が下がるのではないでしょうか?
例えばサテライト戦略として『バリューインデックス』『グロースインデックス』『生活必需品セクター』などが思いつきます。
いままでは『EXE-iシリーズ』で期待していたことでしたが、『eMAXISプラス』で同じような可能性を秘めていることになります。
(参考記事)
2015.04.09 EXE-iシリーズの純資産残高が100億円突破しました!
分配再投資や金額指定購入、自動積立、銀行でも購入可能※などのメリットを考えると、海外ETFに直接投資にはないニーズがありそうです。
※eMAXISプラス コモディティインデックスはSBI証券・マネックス証券の取り扱いで銀行は未定
コモディティ投資は興味の対象外です m(_ _)m
個人的にはコモディティに投資することはありません。
商品価格のヘッジにコモディティ投資なのか?
コモディティ投資の結果が商品価格の上昇なのか?
こんなモヤモヤした気持ちがコモディティ投資にあります。
例えばノーロードで低コストのいろんな商品の価格をひとつにしたインデックスファンドが登場するとします。
だけど何となく買う気になれません。
原油もレアメタルも綿花も、何でも価格はまだまだ上がるのをわかっていてもです。
(参考記事)
2008.03.07 インフレをコモディティで対抗するのって・・・
2010.01.13 コモディティ投資についてのモヤモヤ
7年前に書いたデフレ時代の記事と、インフレ時代の現在の心境は変わっていません。
これから先もコモディティ投資に対する感想は変わらないでしょう。
(こちらでも関連記事として紹介しています)
2015.07.02 2015年6月 人気記事ランキングとスマホからの情報も追加
2015.08.13 eMAXIS バランス (2資産均等型)はeMAXISらしいチャレンジ
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