質問 青空 雲

「iシェアーズETF東証上場シリーズ」の分配金に係る米国現地源泉税に対する軽減税率適用の開始の後に、松井証券では『検討中』との回答をツイッター経由でいただきました。

(追記 2015.09.16)
松井証券が「iシェアーズETF東証上場シリーズ」の軽減税率適用を開始します


iシェアーズETF東証上場シリーズの軽減税率適用がどこまで普及していくのか?

今後の展開に興味を持ったので、大手ネット証券4社(SBI・マネックス・楽天・カブドットコム)に問い合わせてみました。

2015年9月8日現在の回答ですので、他社の動向次第で見直されていく可能性もあります。
検討中から変化があるなど、見直された場合は随時修正していきます。

(軽減税率適用したネット証券各社のページ)
分配金米国源泉税軽減税率適用サービスについて|SBI証券
iシェアーズETF 分配金の軽減税率適用サービスのご案内|楽天証券
米国籍ETF-JDRの税金|カブドットコム証券

そもそも米国現地源泉税に対する軽減税率とは何か


国際分散投資では日本のみならず海外にも投資をします。
外国株式や外国REITなどのインカムゲインには現地源泉徴収税がかかります。

投資した海外株式の配当利回りが名目3%あったとしても、仮に投資国にて軽減税率適用外である30%の源泉課税徴収されてしまうと、配当利回りは実質2.1%と大きく低下します。

…で前回記事にあったように、いままで米国で30%の源泉税が徴収されてた「iシェアーズETF東証上場シリーズ」が、米国での源泉税徴収時に日米租税条約に基づく軽減税率(10%)を適用することになったので今後の「iシェアーズETF東証上場シリーズ」の利便性が非常によくなります。
※なぜ軽減税率(10%)が適用できるようになったのかは下記に解説

ステート・ストリートが運用するSPDR S&P500 ETFは、日米租税条約に基づき日本人投資家に対しては米国で10%の軽減税率にて源泉徴収が行われているので、現在の東証による重複上場の環境は個別に違っているのかな。

(参考記事)
2012.06.12 SPDR S&P500 ETF【1557】の損得
SPDR S&P500 ETF(1557)の課税について運用会社に問い合わせてみた | ホンネの資産運用セミナー

証券税制の専門ではないので詳しくは書けませんが、以下はネット証券に問い合わせた内容。

SBI証券の回答


(追記 2015.09.17)
SBI証券が「iシェアーズETF東証上場シリーズ」の軽減税率適用を開始します


誠に申し訳ございませんが、お問い合わせいただいた米国現地源泉税に対する軽減税率適用の取扱いは、現在検討中となっております。


SBI証券は『検討中』でした(;´∀`)

検討中ということは、実現する可能性もありますので、東証に重複上場しているJDR(米国ETFを信託財産とするJDR)をコアに資産運用を模索している人はリクエストを送り続けるのが大事。

SBI証券では、取扱商品や各種サービスなどに関して、サービス向上の参考とするべく、リクエストや改善要望などの利用者の声を寄せる「リクエストフォーム」を設置しています。

ログイン後の「ホーム」>「お問い合わせ」画面から「リクエストフォーム」を活用できます。

『米国現地源泉税に対する軽減税率適用を開始してくれ』とリクエストしましょう♪

まわりまわって、iシェアーズETF東証上場シリーズのラインナップが充実することだって…あるかもしれませんよ( ̄ー ̄)ニヤリ

マネックス証券の回答


当社では、iシェアーズETF東証上場シリーズの分配金について、米国で30%の源泉税に対する10%の軽減税率の適用は、現在のところお取扱いの予定はございません。


マネックス証券は『やらない』でした(´・ω・`)

まだ、三菱UFJ信託銀行がサービスを始めていない(2015年9月29日以降を基準日とする分配金から)ので、なんとも回答が難しい状況だったのかもしれませんが、他社の動向をチェックしながらでも、検討してほしいところです。

楽天証券の回答


当該サービスにつきまして、弊社では対応予定でございます。
なお、詳細につきましては、該当するお客様へ、後日ご案内予定でございます。


楽天証券は『やります』でした(゚∀゚)キタコレ!!

『該当するお客様へ』ということは、現在、iシェアーズETF東証上場シリーズを保有している投資家に案内が行くのかもしれません。

是非ともプレスリリースでも宣伝してください♪

カブドットコム証券の回答


お問い合わせの件につきまして、回答いたします。

米国ETFを信託財産とするJDRについては、米国で分配金が支払われた場合に現地源泉税として30%が徴収されております。

国内上場外国株であればほふりを通じて属性情報が米国歳入庁へ提出され
日米租税条約にもとづき軽減税率10%が適用されますが、株式ではないJDRについては
ほふりが属性情報を受け取り米国歳入庁へ提出する法令・規則等が整備されておらず
属性情報が提出されないために軽減税率の適用がありませんでした。

このたび該当するJDRの受託者である三菱UFJ信託が
ほふりに代わり属性情報を受け取り米国歳入庁等へ提出手続きを行うサービスを
開始することとなりました。このサービスを受けるためには
当社から第三者である三菱UFJ信託へ個人情報の提供を行うこととなりますため
同意書を提出いただく必要があります。

8月末時点で下記の銘柄を保有されていたお客様へは、書類をご送付いたします。
また、近日中、ログイン後「マイページ」画面の「商品・取引インフォメーション」に
ご案内を掲載予定です。

【対象銘柄】2015/9/4現在
iシェアーズ先進国株ETF(1581)
iシェアーズエマージング株ETF(1582)
iシェアーズフロンティア株ETF(1583)
iシェアーズ米国超大型株ETF(1587) 
iシェアーズ米国小型株ETF(1588) 
iシェアーズ米国高配当株ETF(1589) 
iシェアーズ米国リート・不動産株ETF(1590)

※重要な中身が詰まっていたので、原文ほとんどを引用させていただきましたm(_ _)m

カブドットコム証券は『やります』でしたキタ━(゚∀゚)━!
しかも、今回の軽減税率についての詳しい解説がありました。

完璧な回答ありがとうございます。

米国現地源泉税に対する軽減税率適用の解説


カブドットコム証券の回答メールには、今回の米国現地源泉税に対する軽減税率適用について解説がありましたので、わかりやすいように重要な箇所だけを抜粋してQ&A方式で書きなおしてみました。

もしも、余計に理解できない場合は原文メールを読み返してください^^;

Q なぜJDRは現地源泉税として30%が徴収されていたのか?
A JDRは、ほふりが属性情報を受け取り米国歳入庁へ提出する法令・規則等が整備されておらず属性情報が提出されないために軽減税率の適用がない。

Q なぜ米国現地源泉税に対する軽減税率適用が可能になったのか?
A JDRの受託者である三菱UFJ信託が、ほふりに代わり属性情報を受け取り、米国歳入庁等へ提出手続きを行うサービスを開始することとなったから。

Q どうして同意書を記入して提出しなければならないのか?
A サービスを受けるためには、当社(例 カブドットコム証券)から第三者である三菱UFJ信託へ個人情報の提供を行うこととなるから。

考察


『やります』・『検討中』・『やらない』と見事に軽減税率の適用が各社バラけました。

個人的には、何でもいち早く新たなサービスに挑戦する楽天証券の決断力にグッジョブ!
同じくカブドットコム証券の決断にもグッジョブ!

カブドットコム証券は、他3社と違って海外ETFに参戦していないので、東証に上場しているETFに投資してもらう環境作りは重要な戦略になります。

SBI証券は最大手の強みか、こういう場合は様子見をした後に、他社の動向を見てから参戦することも多い印象があるので、今回も早い段階で『検討中』から『やります』に変わっていくことを期待します。

マネックス証券は、今回の回答については後手にまわってしまいましたが、海外ETFの特定口座対応で一番乗りなど『やる時はやる証券会社』なので検討してくれることを期待しています。

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