
日本の投資信託は毎月分配型が売れていたり、2階建て・3階建てといった中身がよく理解できないような不思議なファンドに多くの資金が流入しては人知れずに消えていく…短期的なファンドが大半を占めています。

画像元 売れ筋が最適にはあらず 日本の投信はコスト高(2015/5/30)|NIKKEI STYLEより引用
日米の売れ筋投資信託の比較(2015年5月当時)を見ると一目瞭然なのですが、コスト革命が起こった最近の低コストインデックスファンドで比較してみると保有コストである信託報酬(米国では経費率)は肩を並べるところまで来ています。
たわらノーロード 日経225 | (0.195%) |
たわらノーロード 国内債券 | (0.15%) |
たわらノーロード 先進国株式 | (0.225%) |
たわらノーロード 先進国債券 | (0.2%) |
たわらノーロード 新興国株式 | (0.495%) |
たわらノーロード 国内リート | (0.3%) |
たわらノーロード 先進国リート | (0.35%) |
上記の米国売れ筋投資信託を、日本国内で販売されている最安級のインデックスファンドである「たわらノーロード」で比較してみました。
2位 バンガード500インデックス・ファンド(0.16%)
両ファンドともに米国人にとっての国内株式アセットクラス。
どちらも経費率の改定があり、0.16%(2016年4月時点)と十分すぎるほどコストは低いです。
「たわらノーロード」での国内株式アセットは「たわらノーロード 日経225」(0.195%)
指数がより広域なTOPIXではなく、日経平均株価(日経225) というのはちょっとズルい感じもしますが、0.195%で国内株式の多くをカバーできるインデックスファンドです。
日本でも0.2%を切るインデックスファンドが登場するところまでやって来ました!
3位 バンガード・トータル・インターナショナル・ストック・インデックス・ファンド(0.19%)
米国人にとっての国内を除く海外株式インデックスファンド。
日本で例えるとMSCIコクサイになるので「たわらノーロード」で例えるとすれば「たわらノーロード 先進国株式」(0.225%)
ちなみに上記NIKKEI STYLEの表にある信託報酬は0.22%でした。
ちょっと前までの国内投信による先進国株式アセットクラスは0.50%が最安値だったので、一気に米国に近いレベルにまで達しています。
4位 アメリカンファンズ・グロース・ファンド・オブ・アメリカ(0.65%)
このファンドは米国の売れ筋投信の中で唯一のアクティブファンドになっています。
アクティブファンドでも0.65%というコストなのはさすがに投資信託の最先端を行く米国です!
「たわらノーロード」にすべてを期待するわけにもいかないので、日本のアクティブファンド代表として「ひふみ投信」(0.980%)あたりにコストの低さや運用の長さなどを米国の売れ筋アクティブファンドと競ってほしいところ。
5位 バンガード・トータル・ボンド・マーケット・インデックス・ファンド(0.16%)
こちらも上記NIKKEI STYLEの表にある信託報酬は0.20%から更に低コスト化が進んでいます。
これでこそ米国!これでこそバンガードの真骨頂!
このファンドは米国人にとっての国内債券アセットクラスになります。
「たわらノーロード」での国内債券アセットクラスは「たわらノーロード 国内債券」(0.15%)
もちろん日本人にとっての国内債券と米国人にとっての国内債券では違う債券に投資しているので同一に並べるのは無理矢理なところもありますが、ここに関しては0.01%の差で日本のインデックスファンドである「たわらノーロード 国内債券」(0.15%)が勝っています。
日本の低コストインデックスファンドも負けてないぞ
昨年と今年の保有コストである信託報酬(米国では経費率)の違いを見るだけでもバンガードのインデックスファンドの低コストへの追求は素晴らしかったことを再認識できます。
そして日本の投資信託でも米国の投資信託と遜色のないレベルで買えるところまで来ました。
しかしながら、「たわらノーロード」のような低コスト投資信託は6000本あるとも言われている国内で販売されているすべての投資信託の中から見つけるのは、投資信託を探す基礎知識がないと難しい作業なのかもしれません。
そのための一歩は、分配(決算)回数が1回などできるだけ少なく、信託報酬が低いファンドを選ぶ基準にしていくという当たり前の行動なのかもしれません。
玉石混交の日本の投資信託ですが、「たわらノーロード」などコスト革命のインデックスファンドが「良いものは良い」と評価されていけば、いつの日か国内投資信託の平均信託報酬さえも米国レベルに近づいていけるのではないでしょうか。
(追記)
今回の記事では保有コストを比較しましたが、米国の経費率は日本の信託報酬は違い、「有価証券の売買委託手数料」・「保管費用」などが含まれるトータルコストです。
米国の投資信託やETFの経費率は毎年変動していて、売れているファンドはほぼ低コストに向かっている傾向があります。
日本の投資信託も毎期の販売資料の刷新など一手間あるでしょうが、トータルコストである実質コストを中心に記載していく方向になればいいなと思う次第であります。
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