シフトチェンジ 変更

今月は「設備・人材投資」をテーマにしたETFが2本ほど上場します(記事作成時点)

モーニングスター新設ファンド情報より(NEXT FUNDS)野村企業価値分配指数上場投信(2016年5月18日設定)
上場インデックスファンド日本経済貢献株(2016年5月24日設定)

 追記  ダイワ 上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数(2016年5月18日設定)

指数こそ「野村企業価値分配指数」「JPX/S&P 設備・人材投資指数」と違いますが、どちらも設備や人材投資に積極的に取り組んでいる企業に注目したETFとなっています。

個人投資家がこのETFを積極的に購入する理由は…ないでしょう。

日銀は6日、設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業を対象とするETF(上場投資信託)の買い入れについて、「MSCI日本株人材設備投資指数」「JPX/S&P 設備・人材投資指数」「野村企業価値分配指数」の3指数を適格としたと発表した。


それよりも日銀が設備・人材投資に積極的になるというのは、いままで積極的に投資してきた「ROEなど収益性の高い銘柄を組み入れたJPX日経400」のETFと、今回の「設備・人材投資ETF」は矛盾していると感じてきました。

設備・人材投資に積極的になれるのは継続的に投資が必要となる製造業中心


設備・人材投資に積極的になれるのは、大規模な設備投資の必要がないネット関連の多い新興企業よりも、継続的に(時には大規模な)設備投資が必要となる製造業が中心になります。

個人投資家から見れば毎年設備投資をしないと利益が出ないような不安定な企業より、あらたな設備投資をする必要がなくリターン(利益)が得られる企業のほうが魅力的でしょう。

投資初心者の頃に、割安成長株投資の本でそのような内容を読んだことあります。
設備・人材投資して新開発した商品がヒットしない場合も考慮すると設備投資はギャンブルに近いのだ…とも。

もしも個別株投資をするとしても設備・人材投資に積極的な企業という理由で投資をする気には…なりませんね^^;

いろんなETFに手を出すほどTOPIXと変わらなくなる


「JPX日経400」に投資してきた日銀と「設備・人材投資」に投資する日銀。
もしかしたら自分たちの年金に深く関わるGPIFも「設備・人材投資ETF」に投資する日が来るかもしれません(嫌だ)

スマートベータはある期間を見るとベータ(市場平均)よりもパフォーマンスが高くなることはありますが、低くなる期間だって当然あるわけで長期的にアウトパフォームを期待できるのかは未知数です。

そして設備や人材投資に積極的に取り組んでいる企業銘柄が高いパフォーマンスだったという検証結果があるのかもよくわかりませんし、そのデータがあったとしてもこれからの成績も同様に期待できるものでもありません。

さらには、これらのスマートベータをつまみ食いしていく結果、パフォーマンスは市場平均であるTOPIXと変わらなくなるのではないでしょうか?

 参考  「JPX/S&P設備・人材投資指数」を算出、トップはトヨタ|ロイター

ロイターに「JPX/S&P 設備・人材投資指数」の上位10銘柄が公表されていました。

構成銘柄トップ10はトヨタ(7203.T)、NTT(9432.T)、みずほ(8411.T)、ソフトバンクグループ(9984.T)、武田薬(4502.T)、7&iHD(3382.T)、アステラス製薬(4503.T)、花王(4452.T)、日産自(7201.T)、ブリヂス(5108.T)。


誰もが知る日本の有名企業ですが、TOPIXや日経225、JPX日経400など様々な指数でもすでに採用されていませんか?

設備・人材投資に積極的になるほど低ROEになる可能性も


設備・人材投資に積極的になるということは低ROEになるかもしれません。

  1. 株主資本1億で純利益1000万円(ROE 10%
  2. 株主資本5000万で純利益1000万円(ROE 20%

同じ純利益をあげる企業でも少ない資本のほうが資本効率という面では評価されます。
設備・人材に投資して純利益も順風満帆に連動してくれればいいけれど、設備・人材投資に積極的(借入金の増加など)になるほどROEが低くなる可能性があります。

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