
前回記事ではVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の経費率が毎年のように引き下げが起こることを紹介しました。
日本の投資信託の場合は一部の低コストなインデックスファンドで運用管理費用(信託報酬)の引き下げ競争が加熱することはありますが、6,000本あると言われている国内投資信託でコストを自発的に引き下げる話は滅多にありません。
どうすれば投資信託の先進国である米国に近づくことができるのか?
Win-Winの関係の米国と投資家の要求からはじまる日本
日本のインデックスファンドの信託報酬引き下げは、運用会社の努力によってコストの引き下げが起こり、純資産残高が後からついてくる状態ですが、米国では純資産総額の上昇が起こってから結果としてコストの引き下げが起こります。
ファンドと投資家がWin-Winの関係を築くには米国方式のほうが良いので、日本の投資信託もつみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)をキッカケにバンガードのような引き下げスタイルが早く定着して欲しいですね。
実質コストでは日本も毎年コストは下がっている
運用報告書を決算が来るたびにチェックしているマニアックな人には知られていることですが、「その他の費用」も含めた実質コストベースでは、日本の投資信託でも純資産総額の上昇とともに低下傾向であることは確認できています。
特に純資産残高が少なく設定されてから間もない投資信託の実質コストが高くなる傾向になります。
もちろん解約の急増などによる純資産総額の低下や大きな金額の急激な売買が起こると、売買コストが高くなってしまうので実質コストも上昇してしまいます。
これは日本でも米国でも同じであり世界共通です。
実質コストでの表記に変われば、名目の日本と実質の米国が同一になるのでスッキリしますね。
※米国の経費率はその他の費用も含めた実質コストです
一部のインデックスファンドだけでなく国内投資信託全般にコスト意識を!
コスト革命が日本で起こってから、一部の超低コストなインデックスファンドは急激にコストの引き下げが起こりました。
でもそれは一部の超低コストなインデックスファンドだけで全体的には1%にもなりません。
ここから先に望むべきものは、運用報告書をチェックしないと本当のコストが見えない面倒くさい現状を金融庁主導で改革してほしい!
これにより販売会社のWebページでは6,000本あると言われる国内投資信託の運用管理費用(信託報酬)の欄が毎年変わってしまうのでメンテナンスが大変になってしまうかもしれません。
もしかしたら取扱い投資信託の大リストラが起こる可能性も!?
それでも実質コストベースでの表記に変われば日本と米国の本当の意味でのコスト比較ができると言うものです。
これが実現できれば、自分が購入している投資信託の純資産総額が順調に右肩上がりであれば、運用コストの引き下げという還元が起こりますし、売れていない投資信託に対して今まで以上にシビアになって償還リスクを未然に防げるかもしれません。
運用会社も同じ会社で同じ中身の投資信託を何本も作るよりも、1本に集約させて大きく育てる方針に転換したほうが得というシンプルな答えがでてくるはずです。
日米の運用コストの引き下げは卵が先か鶏が先かのようですが、米国のように実質コストベース表記になると劇的に変わるような気がします。
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