
楽天証券iDeCoがデフォルトファンド(基本商品)を楽天・インデックス・バランス(DC年金)にすることを発表しましたが、これは個人型のiDeCoだけでなく、企業型確定拠出年金(企業型DC)でも元本確保型の定期預金からリスク資産であるターゲットイヤー型ファンドやバランスファンドへと掛け金が投資へと向かう方向で進んでいます。
やっていることは良いことなのかも知れないが、企業型DCの場合はデフォルトファンドを選定する前にするべきことがあるのではないか?という話です。
企業型DCのデフォルト商品については、加入者の属性などをもとに選ぶことになったが、商品を選択しない人の掛け金がデフォルト商品に回るのはイデコと同じだ。勤務先にDCが導入されたものの、「どの商品を選んだらいいのかわからない」「関心がない」などの理由で放置している人が、主体的に商品を選択するきっかけになりそうだ。
改正DC 使い勝手向上|日本経済新聞より引用
それならば企業型DCが商品を選択しない人の掛け金をデフォルトファンドに回すのは悪くない話に見えるのですが、企業型DCの商品ラインナップが企業内の人にしか知られていないブラックボックスの状態なので、知らぬ間に高コストで長期運用に向かないボッタクリ金融商品に多額の投資をしてしまう可能性があるのです。
高コストな企業型確定拠出年金(DC)のラインナップを公開!損保ジャパン日本興亜DC証券の巻|アルパカの草食系投資
これはリンクしているアルパカ2号さんの企業型DCの実態です。
ブログのような公開された場所に書かれたからこそ知れた情報であって、普段その企業型DCを取り扱っている企業に入社しないと知らないブラックボックスです。
損保ジャパン日本興亜DC証券15本ある商品ラインナップのうちインデックスファンドはTOPIXを投資対象にする「インデックスファンドTOPIX(日本株式)」しかありません。
しかもその保有コストである運用管理費用(信託報酬)は税込で0.6696%!
税抜0.62%のTOPIXインデックスファンドなんて10年前の平均コスト水準ですよ。。。10年前でも「インデックスファンドTSP」とか「STAM TOPIX. インデックス・オープン」などをキチンと選べばもっと良いインデックスファンドがありました。
このような見えないからって合法的ボッタクリ商品を、平気な顔して商品ラインナップをより良い投資信託に変えずに販売し続けてきたのが企業型DCの実態(の一部)と言っても良さそうです。
※もちろん良心的な企業型DCもあります
改正DCによって、企業型DCも定期預金ではないリスク資産がデフォルトファンドとして運用に向かっていく流れが出来上がりました。
でも、デフォルトファンドを選ぶ前に「そもそも商品ラインナップを公開」「選定理由も含めた従業員(顧客)に納得のいく商品説明」の手順を踏むべきでしょう。
上記の損保ジャパン日本興亜DC証券の商品ラインナップからデフォルトファンドを無理にでも選ばなければならないとなると、バランスファンドの「ハッピーエイジング20」となってしまいます。
「ハッピーエイジング20」の運用管理費用(信託報酬)は税込みで1.5876%!
「どの商品を選んだらいいのかわからない」・「関心がない」…という理由だけでこんな高コストな合法的ボッタクリ商品を掴まされてしまう加入者が続出してしまいます。
ちょっとブラックボックスを開けてみたくなりました。特に中小企業の確定拠出年金の場合、自社で構築する力が無い為、地銀などに丸投げしているケースが多いのではないかと思います。
それをいいことに、このようなパッケージを提供してくる証券会社…。一体なんなんですかね?本気で資産形成の手伝いをしているとは思えません。
高コストな企業型確定拠出年金(DC)のラインナップを公開!損保ジャパン日本興亜DC証券の巻|アルパカの草食系投資より引用
企業は従業員の福利厚生の充実のために企業型DCを取り入れています。
その会社で仕事をしている従業員からこんなメッセージを書かせるなよ!!
企業型DCを取り入れている従業員は会社が選んだ販売会社(証券会社や生保など)しか選べないんだぞ!!…と企業型DCを売り込んでくる一部の販売会社に言いたい。
厚生労働省さん!こちらからは以上であります。
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