比較 マルとバツ 左右

現在活発に取引されているETFや投資信託にブルベア型ファンドがあります。
例えば2倍のブルベア型の場合、TOPIXや日経平均株価の値動きの2倍になるような投資商品です。

仮に長期投資における株式の期待リターンを5%と見積もっている場合、2倍のレバレッジ型投資信託で長期運用していれば10%を享受できるような魔法の金融商品に思えてしまいます。
しかも信用取引を利用していないので、キャッシュ不足による追証の心配もありません。

まるで使い勝手の良いレバレッジ型投資信託ですが、長期投資による資産運用には適さないポイントがあるので推奨していません。

TOPIX【1306】とTOPIXブル2倍【1568】の比較


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画像元 ヤフーファイナンス

上記の画像は【1306】TOPIX連動型上場投資信託
○印の部分は月末の基準価額が同じになっています。
2015年8月 1,561
2017年1月 1,561(騰落率±0%)

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画像元 ヤフーファイナンス

上記の画像は【1568】TOPIXブル2倍上場投信
○印の部分は同じだった【1306】TOPIX連動型上場投資信託のポイントです。
2015年8月 15,130
2017年1月 14,160(騰落率-6.41%)

横ばいでは下落していくレバレッジ型投資信託


レバレッジのないTOPIXでは騰落率が横ばい(±0%)だった期間でも、レバレッジのかかったETFや投資信託では下落(-6.41%)という結果になってしまいました。

株式市場では5年程度の期間では上がって下がっての横ばいなんてことは普通にあります。
もちろん右肩上がりの上昇期間にレバレッジ型投資信託を活用すれば高いパフォーマンスを獲得することは可能です。

例えば基準価額10000円のTOPIXが-2%、翌営業日に+2%を記録するとします。
10000-2%+2%=9996円

2倍の値動きをするレバレッジ型投資信託は-4%、翌営業日に+4%を記録します。
10000-4%+4%=9984円

レバレッジ型投資信託は言ってしまえば短期投資向けの金融商品です。

長期による株式投資で5%~7%の高いパフォーマンスが期待できるとしても、レバレッジ型投資信託に長期投資することでリターンが倍加するとは限りません。

株式投資していない金融商品なので配当がない


レバレッジ型投資信託(ETF含む)は価格が倍になるように設計された金融商品なので、現物に投資しているわけではありません。

株式投資している場合は配当を受け取ることで投資信託からは分配金が期待(受取またはファンド内で再投資)されますが、レバレッジ型投資信託(ETF含む)には配当を受け取る機会がないので分配金が発生しません。もしも分配金が出たらそれは身を切り崩したタコ配に過ぎません。

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