
MSCI日本株最小分散インデックスに連動するETFとして注目された「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF」【1477】が2015年10月19日に設定されてから早いもので3年が経過しています。
ある程度の期間が経ったので、TOPIX【1306】と比較してキチンと低ボラティリティになっているのか検証してみました。
iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETFの概要
ファンド名 | iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF |
証券コード | 1477 |
運用会社 | ブラックロック |
対象指数 | MSCI日本株最小分散インデックス |
信託報酬 | 0.19% |
信託財産留保額 | なし |
信託期間 | 無期限 |
決算日 | 年2回 (毎年2月9日および8月9日) |
設定日 | 2015年10月19日 |
純資産総額※ | 152億8621万9635円 |
iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETFとTOPIXの比較
TOPIX | ミニボル【1477】 | |||
リターン | リスク | リターン | リスク | |
年初来 | -7.7% | 23.7% | -3.5% | 20.8% |
1年(年率平均) | -4.9% | 13.2% | -1.8% | 11.2% |
3年(年率平均) | 3.9% | 14.4% | 3.5% | 11.2% |
わたしのインデックスから作成しました。
すべての期間で低ボラティリティを確認
2017年までおとなしめだった近年に比べると、2018年はボラティリティ(価格変動)の大きかった年で、年初来のTOPIXのリスク(ボラティリティ)は23.7%あります。
iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETFの年初来のリスクは20.8%なので、TOPIXに比べて12%ほど低ボラティリティを実現しているのがわかります。
最小分散とは、株式と短期公社債等の比率を調整してリスクを小さくするMAXISトピックスリスクコントロール(5%・10%)のような手法ではなく、食品株や電力株など銘柄のもつ性質(TOPIXよりボラティリティの低い銘柄)により実現した戦略です。
今回の比較表を確認してみると、リスク(ボラティリティ)がTOPIXと比べて低くなっているのはもちろん、価格変動の大きな年のリターンも結果的に良かった。
もちろん期間が3年の年率平均リターンを見るとTOPIXのほうが成績が良いので、何もかも「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF」が良いということにはなりません。
10年くらいの期間からリスクが安定してくるのですが、TOPIX14.4%・ミニボル11.2%という期間3年の比較でみても、TOPIXより低ボラティリティを実現していることは確認できました。
3年データで見る最大損失率はどのくらい?
過去3年間のリターン(年率平均)と、その期間におけるプラスマイナスのリスク(ブレ幅)がわかったので、最大損失がどれくらいなのか計算できます。
小難しいσ(シグマ)の話からはじめますが…1σは1年間のリスク(標準偏差)です。
±1σの範囲でリターンが収まる確率は68.27%、±2σの範囲でリターンが収まる確率が95.45%と言われています。
基本的に95.45%の範囲内でリターンが収まる2σの確率を重視します。
リスクはリターンからの変動幅で見るのでリスクだけを見ないように注意しましょう。
TOPIXの場合
95.45%の確率で3.9%±28.8%(14.4%×2)の範囲に収まる計算です。
TOPIXの最大損失は-24.9%という計算結果になりました。
iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETFの場合
95.45%の確率で3.5%±22.4%(11.2%×2)の範囲に収まる計算です。
最小分散ETFの最大損失は-18.9%という計算結果になりました。
※期待リターンではなく過去実績のリターンなので参考程度に
リターンは不確定だけどリスクは低いほうがいい。債券比率を増やしたくないけど株式投資でのリスクはおさえたい。国内株式投資も大事だけどTOPIXは嫌だ。
そんなニーズに最小分散という選択肢はアリかもしれませんね。
運用が3年経過していませんが「MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数」に連動する「上場インデックスファンド MSCI日本株高配当低ボラティリティ」【1399】というETFがあります(指数も商品名も長い。。。)
こちらのETFはリスクこそTOPIXより低ボラティリティを実現していますが、リターンがよろしくないことになっています。
構成銘柄を四半期見直し・最大ウエイト1%最少ウエイト0.05%制約などが売買を積極的にしてリターンを減らしているのかもしれませんね。
日本株最小分散ETFを選ぶなら、日興AMよりブラックロックの今回紹介している「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF」のほうが良いでしょう。
ちなみに「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF」が「TOPIX」より勝れているという内容の記事ではありません。
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