グラフ 電卓 比較表


各運用会社のインデックスファンドが充実してきた昨今、どれがインデックスファンドとして良い運用をしているのかわからないこともしばしば。

「マンスリーレポート」を見れば、ベンチマークとの差異の少なさから優秀なインデックスファンドを調べることができますが、そもそも各社が公開している「マンスリーレポート」に記載されているベンチマークの数値すらバラバラで困ることもあります。

そこで各運用会社の主要インデックスファンドのリターンを「ベンチマークが配当込み指数」で「少数2位まで記載しているファンド」のベンチマークをもとに完全比較してみました。
※MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)は少数2位が見つかりません
各インデックスファンドのリターンは投信まとなびを参考にしています。
各インデックスファンドの月報によるリターンと変わらない数値であることと、ファンドによっては月報でも表示しきれていない少数2位まで見えるので採用しています。

プライスリターンでしかない配当抜き指数に連動するインデックスファンドも、トータルリターンの配当込み指数と手加減なしで比較しています。
※投信まとなびのデータは分配金を再投資した場合のリターンです

「Smart-i TOPIXインデックス」と「Smart-i 先進国債券インデックス(為替ヘッジなし)」の運用管理費用(信託報酬)が2019年2月26日から引き下げとなるので、低コスト順に並べている表内のファンド序列も変更しています。

  • ファンド名称下の[かっこ]は運用管理費用(信託報酬)
  • ファンドの成績の下の(かっこ)はベンチマークとの差異

国内株式 主要インデックスファンドの成績 2018年10~12月


「Smart-i TOPIXインデックス」の運用管理費用(信託報酬)が引き下げられる発表をしましたが、成績に反映するには時間がかかります。
「eMAXIS Slim」「ニッセイ」「たわらノーロード」の運用が安定していて良い感じ。
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」も数値で見るとベストのように見えますが、9月4日に0.105%のプラス乖離があった影響が大きい。そのプラス乖離が発生していなければ「eMAXIS Slim」「ニッセイ」「たわらノーロード」と同様の運用をしているので評価がわかれるところ。

追記 2019年2月4日三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの運用報告書に、2018年9月4日の上方乖離の理由について書かれていました。

9月4日上方乖離の謎が解けた!三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 第7期運用報告書をチェック

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの第7期運用報告書(決算日2018年11月30日)がアップされましたので気になるところををチェックしてみました。いままでベンチマークとの乖離が極小で、運用が安定していると思っていたところ、2018年9月4日に上方乖離があったので気になっていたインデックスファンドです。結果を先に書くと「誠実でグッジョブ!」な運用報告となっています。三井住友・DCつみたてN...


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※ベンチマークはたわらノーロードTOPIXの月次データを参考

先進国株式 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


直近3ヶ月で見ると「Smart-i」「SMT」「インデックスe」の評価が良いという不思議。1年でチェックすると「eMAXIS Slim」の安定した運用が確認できます。さすがfoy2018受賞ファンドです。

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※ベンチマークはたわらノーロード先進国株式の月次データを参考
※SBIインデックスは日本を含む先進国株式(FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックス)なので完全には連動しません

全世界株式 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


今回から「日本を含む全世界株式」を1つの表にまとめました。
理由は2つに分けるのが面倒くさい…というのもありますが、ステート・ストリートの月次レポートの発表が遅くてブログ更新がいつもステート・ストリート待ちだったからです。
日本を含む全世界株式ベンチマークは「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)」の数値で比較していきますので「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 」と「全世界株式インデックス・ファンド」は当ブログの比較ベンチマークと完全には連動しません。

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※ベンチマークは三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの月次データを参考

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※ベンチマークはSBI・インデックスの月次データを参考

新興国株式 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)」に連動する楽天とSBIの2ファンドは参考扱いです。
新興国アセットクラスは指数との連動が難しいので運用会社の腕の見せ所で差がありますが「eMAXIS Slim」が短期的(3ヶ月)にも中期的(1年)にも安定しているのが確認できます。

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※ベンチマークはたわらノーロード新興国株式の月次データを参考
※iFree 新興国株式インデックスは比較しません
※SBIインデックスと楽天・新興国はFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)なので当ブログの比較ベンチマークと完全には連動しません

国内債券 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


国内債券アセットクラスは為替リスクもないので、単純にコストの低いインデックスファンドほどベンチマークとの乖離が少なくなっている印象です。
コスト革命後の信託報酬0.16%以下のファンドなら、どれを選んでも大丈夫なくらい僅差となっています。

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※ベンチマークはたわらノーロード国内債券の月次データを参考

先進国債券 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


「eMAXIS Slim」「たわらノーロード」がベンチマークとの差が小さくなっています。
「Smart-i 先進国債券インデックス(為替ヘッジなし)」の運用管理費用(信託報酬)が引き下げられますので、今後の比較にどう影響していくのか注目です。

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※ベンチマークはたわらノーロード先進国債券の月次データを参考

新興国債券 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


新興国債券は日本からは投資のし難いこともあり、ベンチマークとの乖離が発生しやすいアセットクラスです。
運用が難しいことと、投資家サイドの需要からインデックスファンドを運用する本数も少なめなので「iFree」の一人勝ちという状況が続いています。

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※ベンチマークはSMT新興国債券インデックスオープンの月次データを参考

J-REIT 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


J-REITアセットクラスは不思議なもので、コストが低いほどベンチマークとの乖離が少ないという関係になっていません。
J-REITについては昔から「Funds-i」の評判が良かったので、結果だけを見れば「Funds-i」を買うということになりますが、将来性を見て「たわらノーロード」や「Smart-i」という選択もありです。

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※ベンチマークはたわらノーロード国内リートの月次データを参考

先進国REIT 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


先進国のREITもJ-REITと同じく「Funds-i」が優秀でしたが、9月~12月は珍しく他社ファンドより下方乖離したので1年間の結果を見ても横一線となってしまいました。

低コストインデックスファンドの将来性(コスト分の乖離要因の少なさ)を見ると「たわらノーロード」「iFree」を選ぶのがベターかもしれません

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※ベンチマークはたわらノーロード先進国リートの月次データを参考
※<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンドのベンチマークは新興国REITも含めたS&P グローバルREIT指数 (除く日本)なので当ブログの比較ベンチマークと完全には連動しません

新興国REIT 主要インデックスファンドの成績 2018年10月~12月


8資産バランスでも除外されるほど市場規模もまだまだ小さい新興国REIT。
投資できるインデックスファンドは2本しかありませんが、「SMT」が良い成績となっているのを確認できます。

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※ベンチマークはSMT新興国債券インデックスオープンの月次データを参考

主要アセットクラスのベンチマーク名称【国内株式】 TOPIX トピックス (配当込み)
【先進国株式】MSCI コクサイ・インデックス(円)
【全世界株式】MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円)
【新興国株式】MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円)
【国内債券】NOMURA-BPI 総合
【先進国債券】シティ世界国債インデックス(除く日本、円)
【新興国債券】JPモルガン GBI-EM グローバル ディバーシファイド (円)
【J-REIT】東証REIT指数(配当込み
【先進国REIT】S&P 先進国REIT指数 (除く日本) (円)
【新興国REIT】S&P新興国REIT指数(配当込み、円)


参考リンク・関連記事など


各運用会社の同じ時期の「マンスリーレポート」や「月報」を並べて比較してみると、けっこうバラバラな数値で悩んでいたことがこの比較シリーズを作った理由です。

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2019年2月26日から「Smart-iインデックスシリーズ」のTOPIXと先進国債券の保有コストが引き下げられるので、今回の比較表から数値を反映させています。

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