
東京証券取引所に上場している業種別ETFであるTOPIX-17【1617~1633】(野村アセットマネジメントのNEXT FUNDS)と、基準となるTOPIX【1306】の18本のETFを比較してみました。
先月のTOPIXは-10.3%と大きく下落して2018年を終了しましたが、年が明けて1月のTOPIXは+4.9%と戻しています。
毎月TOPIXを始めとした海外の株式(円建て)が上がったり下がったりと、方向性のない変動が続いています。
東証のETFではマーケットメイク制度がはじまり、流動性が向上したので業種別ETFのような「つまみ食い」投資の使い勝手もよくなっています。
TOPIX-17(業種別ETF)とは

画像元 これからは業種別投資!-ETFで実践する業種別投資法-|楽天証券
日本株(業種別)ETFとは
TOPIXの構成銘柄を業種別に区分した株価指数には、33の業種分類に基づく東証業種別株価指数があります。TOPIX-17シリーズは、投資利便性を考慮して、33業種を17業種に再編した株価指数です。
日本株(業種別)ETFはTOPIX-17の各指数への連動をめざすETFです。
これからは業種別投資!-ETFで実践する業種別投資法-|楽天証券
- 10年間リターンは10年前から現在までの累計リターンを年率換算
- わたしのインデックスの月末時点データ(配当込み)を利用して作成しています
- 配当にかかる税金、再投資による売買コストは考慮していません
過去1ヶ月の業種別リターンランキング

TOPIXの直近1ヶ月パフォーマンスは4.9%となりました。
今月は唯一マイナスのパフォーマンスとなった小売セクターを筆頭に、電力ガスや食品などのディフェンシブ株がTOPIXと比較して冴えない結果となりました。
ディフェンシブセクターは株価下落時に下げ耐性があるのですが、TOPIXの上昇時には置いていかれる傾向があるのも理解しておきましょう。
過去1年の業種別リターンランキング

TOPIXの過去1年間のパフォーマンスは-12.9%となりました。
電力ガスセクターの一人勝ちが続いています。
電力ガスセクターが良かった理由は、1年以上前に特別大きく下落していたので「リターン・リバーサル効果」が起こっているのでしょう。
次の10年比較を見ると電力ガスセクターの逆の一面が見えてきます。
過去10年の業種別リターンランキング

TOPIXの過去10年間のパフォーマンスは9.1%となりました。
1ヶ月・1年とは違い多少の順位の変動こそありますが、過去10年だとランキングに大きな動きがないのが最大の特徴と言えるカテゴリです。
起点がリーマン・ショックで低迷している時期なので、今になってみると株式を保有していることで期待されるリターン(5~7%)を超過しています。
東日本大震災(2011年)がありましたので、「NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX-17)上場投信 (1627)」は-3.3%という結果になっています。
電力・ガスセクターはディフェンシブ銘柄の筆頭とも言われていましたが、電力・ガスに集中投資するより広域に分散することが大事であることがわかります。
それでも電力・ガスセクターに大きく投資したい場合は、個別株ではなくTOPIX-17ETFをうまく活用して投資していくことを強く推奨します。
10年の長期で見ると電力・ガスセクターがダメに見えますが、1年という中期で見ると唯一の好成績というのも視点を変えればなんとやらで面白い結果です。
過去10年の業種別リスク(標準偏差)ランキング

TOPIXの標準偏差(過去10年間)は17%となりました。
リターンと違い標準偏差は小さいほうが優れているので、小さい順に並べています。
この標準偏差(過去10年間)ランキングは、基本的に数値が大きく変動することのないことが予想できますので非常に地味ですが、グラフを見るとどの業種がどの程度の値動きをするのかを知ることができるので投資上級者ほど見応えを感じるはずです。
それと大事なポイントとして、多くの業種を保有しているTOPIXがグラフの左側(上位側)にいることを知っていることも重要でしょう。
今回の話題に関連の強い過去記事や参考リンクなどを紹介。
株式を保有していることで期待されるリターンを5~7%程度に見積もっているのはGPIFが設定している期待リターンのデータを参考にしているからです。
GPIFとは厚生年金と国民年金の年金積立金を管理・運用するところです。GPIFが管理・運用する大半がインデックスファンドによるパッシブ運用となっているので、資料や運用報告など参考になることも多いホームページです。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の現行の基本ポートフォリオなどの数値をまとめます。...
TOPIX-17は東証33業種からまとめられていますが、さらに3タイプに分類してみました。
業種別ETFを3タイプ(景気循環・ディフェンシブ・中間)に分類してみた
東京証券取引所に上場している業種別ETFであるTOPIX-17【1617~1633】(野村アセットマネジメントのNEXT FUNDS)ですが、かつて東証では業種を33種に分類されて...
リスクを下げる方法としては国内債券アセットクラスを株式と分散投資していくが王道です。
モーニングスターのコラムで相性の良い資産の組み合わせについて、分散投資におけるとても重要な話があったのでメモ...
スポンサーリンク
関連コンテンツ