ただそのやり口においては攻撃的で「もの言う株主」が過ぎ去った後には価値の創造からはかけ離れた残骸だけが残るケースも多い
本の物語になるドイツ証券取引所の元CEOであるザイフェルト(著者)とヘッジファンドTCIの代表であるホーンの戦争はCEO退任と言うカタチで取りあえずの決着を見ることになる
そしてその過程の当事者である直伝なので恨みは相当なものがある
最後に粗原稿はすべて捨て客観的で教養にあふれた文章で最初からやり直したとあるがそれでもまだ文面からはホーンへの憎しみが伝わってくるものだから・・・。
現在もTCIは電源開発への攻撃的な株主提案を展開していたり本でも登場する乗っ取り屋アイカーンがヤフー株を買い増ししていたりとヘッジファンドの猛威は変わらないがヘッジファンドそのものは時代が作り出した産物なのではないかと思う
ドイツ証券取引所とTCIの論争が起こっていた当時、日本でも村上ファンドが大阪証券取引所を増配要求していた。
そして日本の村上は現在、檻の中である。絶対利回りなんて幻想であることに世界は気付くべきである
目先の増配や自社株買いで株主に金を提示して株主リターンが短期的には上昇するがヘッジファンドは必ず高値で売り抜ける
バランスシートの崩したその後を長期的に見れば狙われた企業は衰退する場合があまりのも多いのである
それは株主リターンの創造であって企業価値の創造とは次元の違う話に見えます
時代が必要とさせて登場した「お金持ちクラブ」のヘッジファンドはいつの日か時代と共に消えていく存在になるような気がするのは自分だけでしょうか?
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